中古漫画

初恋の人に再会できたのは中古漫画のおかげ

 私の初恋の人は、それはそれはかっこよく、オンナノコみんなの憧れの人だった。スポーツ万能で成績優秀。もちろん甘いルックスですらりと高い背。オンナノコにはもちろん優しくて、男の子からの人望も厚い。そんなパーフェクトな男の子。
 そんな初恋の人とは程遠い、でも私のことをとても大切に思ってくれる人と、結婚することになった。結婚披露宴の打合せをしているときに、初恋はいつだったかと尋ねられ、久しぶりに彼のことを思い出した。私の初恋の彼は、少女漫画の主人公が片思いしている男の子。お互い好きなのに、好きと言えない2人をやきもきしながら読んでいたことを思い出した。
 帰りに本屋さんに立ち寄り、その漫画を探す。なかなか見つけられなくて、店員さんに尋ねると、昔の作品だから在庫がないと言われた。でもどうしても読みたくなった私は、中古漫画を取り扱うお店にむかった。本棚いっぱいに並ぶ中古漫画。懐かしい漫画がたくさんあって、私はしばし童心にかえる。
 その中からやっと見つけ出したお目当ての漫画の中で、初恋の人はやっぱり素敵に輝いていた。久しぶりの再会に私は思わず婚約者に電話をかけた。
「今度、私の初恋の人を紹介するね。とーってもかっこいいのよ」
電話ごしに、困惑する彼の表情が見えるようで、私はひとりくすくすと笑った。